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Rスターを意識した展開?

2016年9月のマーケット動向と投資戦略

どうも、筆者です。
いつもは朝一にブログ更新してますが、金曜の米雇用統計を受けて、昨日当ブログのアクセスが上がってましたので、前倒しで書いてみようかと思います。筆者が運営する各サイトは、日曜の夜にアクセス上がることが多く、明日の相場に備えて色々調べる方が多いんだなぁと普段から思ってましたし、今日のブログの内容はゆっくり読んでもらいたいってのもありますので、是非是非ビールでも飲みながら読んでみてください。

今日のブログのタイトルにもしましたが、今回の米雇用統計の結果を受けた後の相場つきは、「Rスター」を意識した動きになったんじゃないかと見れば合点がいく所が多かったです。

Rスター、すなわち自然利子率や中立金利のことですが、これが現在0%近辺なので、政策金利を上げるにしてもそこまで上げられないし、上げるペースも緩めるしかないなってことを先読みした相場つきだったように思います。これはちょっとわかりにくいと思いますので、かみ砕いて解説します。

まずは、金曜の米国市場の動きをおさらいします。米雇用統計の結果は15万人増で、市場予想の18万人増より弱い数字でした。これを受けて、米国株は上昇、VIX指数は低下、米ドルの価値を示すドル指数も小幅上昇、金や原油も上昇、米国債券利回りも小幅上昇でした。たいがい全部上がったんですよね。笑 これらの動きは、どこかに間違いがあるか、この動きに意味があるかのどちらかです。米雇用統計の結果を受けて「利上げが後退した」「米雇用統計の数字は3カ月平均で言えば20万人を超えてるので9月利上げもありうる」って、株式市場と為替市場、債券市場で見解が違うって報道も多くありましたが、筆者は、Rスターを見据えた投資家の行動であると思いました。「米国の金利は上がりにくい」と見据えていると思います。

要するに、Rスターという適温水準の金利が低いんです。Rスターが低いために、ここで政策金利を急激に引上げてしまうと、ショック的な動きに繋がりやすいため、FRBは利上げはしにくい、やってもペースは緩いって投資家は読んだ動きだったと思います。利上げするかもしれないけど、ペースは緩く、やっても今年は年一回で、0.25%程度上げだから、そこまで影響しないってことで米国株は上昇、恐怖指数とされるVIX指数は低下したと見れます。FRB副議長のフィッシャー氏が米雇用統計は7.5~15万人増であれば問題ないと発言してましたので、米雇用統計の結果を受けて12月の利上げ予想が小幅上昇したので、利上げを多少織り込む形で、ドル指数上昇、金、原油、米国債券利回りも小幅上昇ってことで全部合点がいきます。米国市場は、先物の買いポジションを見てみると、めちゃめちゃ積み上がってますので、利上げはほとんど織り込んでない市場と見れます。ゆえに、今後ちょろちょろ織り込んでくるような動きが見られるのではないかと思います。

上記で解説した、米国株やVIX指数、ドル指数、金や原油、米国債利回りの推移は、姉妹サイト「株式マーケットデータ」で確認できますので、参考にどうぞ。

さて、Rスターと言ってもよくわからないかもしれませんので、注目点を申しますと、「株式マーケットデータ」の「米国市場の推移」のページにある「米10年債」と「米2年債」の欄を注目していただければと思います。この欄は、それぞれの利回りの推移を掲載してるのですが、おそらく米国株がクラッシュするような事態になるには、この欄の利回りが急騰する場合が一つの要因だと思います。「米10年債利回り」は米国の長期金利を、「米2年債の利回り」は米国の短期金利を表していますので、ここを見ていれば米国の長期金利と短期金利の推移が確認できるというわけです。すなわち、米国の金利が急騰すれば米国株はクラッシュするだろう見ています。

その米国の金利ですが、おそらく急騰する恐れは今はないと見ています。米国の「利上げ」っていうのは、政策金利を引上げて、この長期金利と短期金利を引上げてバブルを抑制する政策ですが、米国は利上げ政策をする一方、米国債で償還がきたものは再投資にまわすという緩和も同時に行っています。ゆえに、現時点で金利の急騰はあまり考えなくていいかもしれません。これらのことから、Rスターも含めて「米国の金利は上がりにくい」と現時点で考えることができます。おそらく米国の金利が急騰する時というのは、FRBが米国債で償還がきたものを再投資にまわすのをやめる時だと思います。

さて、焦点は9月に利上げがあるかどうかだと思います。利上げの条件からすれば揃ってきてるんじゃないかなと思いますし、債券王のビルグロース氏も言ってますが、この内容でやらなかったらいつやるんだってことだと思います。木曜のISM製造業指数が弱かったってのもありますが、前回12月の利上げの際は、イエレンFRB議長はISMが50割れでも利上げしましたから、ISMの結果は問題にならない可能性が高いです。ただ・・・9月の利上げ予想が低すぎるんです。むしろ、米雇用統計の結果を受けて24%から21%に下がりました。12月利上げ予想が53%から54%に上がりましたので、市場のコンセンサスは12月となっています。これで9月利上げに動くと結構ショック的な動きになりやすいと考えられます。また、12月の利上げの際は、事前にイエレン氏が利上げを示唆したのですが、今回、ジャクソンホール会議でイエレン氏からその発言はなく、フィッシャー副議長から示唆があったんですよね。この辺が難しいです。フィッシャー氏はタカ派ですからね。ただ、前にも書きましたが、フィッシャー氏は米国だけでなく世界的に絶大なインパクトのある方ですから、う~んって悩みどころです。利上げできるけど、この市場予想の状態でやるのか・・・織り込ませ方が少ないのでは?と思っています。

と、これらの内容を踏まえて投資戦略です。

結論から言えば、米雇用統計の結果を受けて市場は火曜あたりまで落ち着かなさそうですし、米国は月曜は休場、レイバーデー明けは海外投資家も夏休み明けになることから、相場の方向が見えやすくなるのは火曜日以降のように思えます。月曜は米国が休場なので、鬼がいない間に日本株が動くってことも考えられますが、筆者は手控えと考えています。筆者が予想する「米国の金利は上がりにくい」ってことを前提にすると、日本と米国の金利差が拡大しないため、円高要因になります。また、影に隠れてますが、日本の債券市場も動きが出てます。日本国債売られてきてるんですよね。次回の日銀会合で国債の買い入れ減額されるんじゃないかってことで、日本国債が売られて、日本の長期金利はにわかに上昇しています。日本の長期金利の動向は、「株式マーケットデータ」の「日本主要株価指数・REIT・日本国債10年の推移」のページの「日10年債利回り」の欄が日本の長期金利にあたるので注目していただければなと思います。金曜の時点で-0.025%なんですよね。結構上がってます。マイナス金利下でもゼロ近くになってきました。米国の金利が上がらずに日本の金利が上がれば金利差縮小で円高要因ですので、ちょっと危なっかしいです。ただ、金曜の夜の日経平均先物は17130円とレンジを上抜けてきましたから、これが悩ましいです。17000円上抜けると出来高が薄めですから上は軽いんですよね。売り方がビビっちゃって、円高でも上昇は考えられますので、上がるならついていくしかないでしょうか。ただ、火曜または水曜あたりの動きを見て方向見た方がいいと思います。移動平均線の200日線近辺ですから、この辺でもたつく可能性も高いですし、火曜・水曜はメジャーSQ前ですから、月曜の寄りの上昇を見て慌てて飛び乗るってのは避けたい所だと考えています。

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