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ヒラリー・クリントン氏が大統領になったらどうなる?政策とその影響について

2016年11月のマーケット動向と投資戦略

接戦

おはようございます。
世論調査でヒラリー・クリントン氏とトランプ氏が接戦ですので、「トランプ氏が大統領になったらどうなる?政策とその影響について」に引き続き、クリントン氏が大統領になった場合も考察します。

政策について改めて主要な政策を上げておきます。

  • インフラ投資重視ー富裕層には増税の姿勢(円安要因)
  • 金融規制強化派ーグラス・スティーガル法支持、ボルカールール強化(円高要因)
  • TPP反対だがトランプ氏に比べ若干緩い(若干円高要因)
  • 為替政策についてはドル安政策ー日本と中国は為替操作国発言(円高要因)
  • 移民については自由化を主張(若干円安要因)
  • 財務長官に利上げ慎重派プレイナードFRB理事を指名?(円高要因)

主要どころはこのような形です。加えて、薬価引き下げを掲げていますので、製薬株にとってはマイナス要因と予想できます。また、相続税の引き上げも示唆していますので、政策が大きく変わることが予想され、先行きとしては少し悪いでしょうか。金融への規制も強化される方向ですので、銀行株にとっても先行きはよくないでしょうか。

クリントン氏の政策は実現できる?

クリントン氏が大統領になった場合、一番気になるのは、これらの政策は実行に移せるのかどうかだと思います。というのも、大統領選当日は上下院の議会選挙もあり、下院は共和党が取る可能性が高いとされています。現在は上院も共和党優勢の情勢で、上下院とも共和党が取れば、クリントン氏の政策は通りにくいことが予想できます。ちなみに、クリントン氏は民主党、トランプ氏は共和党です。たとえ、上院を民主党がとったとしても上院=民主党、下院=共和党でねじれますので、例えば、クリントン氏はインフラ投資することを示唆していますので財政出動に動くはずですが、その規模が小さくなる可能性があります。政策に関しては現状維持になる可能性の方が高く、ドル安の方向は維持されると思いますので、日本にとっては長期的に円高要因と考える方がいいかもしれません。財務長官に利上げ慎重派プレイナードFRB理事を指名するとの見方も強いので、それも円高要因になると思います。

さらに、米国は2017年3月から債務上限が復活します。詳しい解説は「米国の債務上限問題とは」を参照してください。これによって、上下院ともに共和党がとれば、さらにクリントン氏の政策は通りにくいことが予想できます。

一方で、トランプ氏が大統領になった場合に懸念される「グローバリゼーションの終わり」は払拭され、グローバリズムは維持されることが意識され、一旦安堵のような相場になることが予想できます。ただ、政策が実行に移せるかの疑問はつきまといますので、長期的に米国の景気がさらに上向くかについては疑問があります。これまでの傾向では民主党が大統領をとった場合、株価は上がりやすい傾向があるのですが、今回の場合は株価をさらに押し上げるだけの材料に乏しい感がありますし、そもそも上記の理由から政策が実行に移せるか不確かですので、短期的な相場についていっていいかもしれませんが、長期的についていくのは危ないのではないかと思います。大統領選前にトランプリスクで米国株は下がっていますので、クリントン氏が大統領に決まれば一旦反発しそうですが、その反発も一時的と見ておいた方がいいのではないかと現時点では思います。クリントン氏が大統領になっても現状維持の色が濃く、リーマン以降米国の相場は上昇基調ですが、上昇も最終局面がくるんじゃないかなと、今はそう思ってます。

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