ドル建て日経平均と裁定売り残の解説
今日のブログは、前半はドル建て日経平均について書きますが、それは今すぐ必要な内容ではなく、後半に書く裁定売残については、直近の相場を見る上でちょっと意識しておいた方がいい内容になってますので、お急ぎの方は後半だけでも読んでください。
ドル建て日経平均
姉妹サイト「株式マーケットデータ」のドル建て日経平均(ドル換算)について、ドル建て日経平均は何を使って計算しているのかとのご質問があり、筆者の説明不足がありましたので、ここでその説明のブログを書きます。最近、ドル建て日経平均の推移はよく見られていますしね。
ドル建て日経平均の推移は以下のページで掲載しています。
さて、この「株式マーケットデータ」のドル建て日経平均ですが、これは日経公表分のドル建て日経平均の値を掲載しています。
ドル建て日経平均は、ドル換算した日経平均株価です。外国人投資家はドル建ての資産として日本株を保有するので、ドル建て日経平均は外国人投資家から見た日経平均株価ともいえます。
と、筆者はドル建て日経平均について「ドル換算した日経平均株価」としか説明してませんでした。データを見るのに小難しくなるのは控えることもありますので諸々省いたりしてますが、この「ドル換算」って、どの時点の何の為替レートを使っているのか等は書いておかないと具合悪いので、ここで書いておきます。
ドル建て日経平均の計算方法
ドル建て日経平均は、以下の計算式で求められます。
- ドル建て日経平均株価=日経平均株価÷米ドル直物レート(1ドルあたりの円貨建て)
為替の値は、16時時点(ロンドン時間)の仲値が用いられています。
ちなみに「株式マーケットデータ」では「ユーロ建て日経平均」の推移も掲載していますが、ドル建て日経平均と同様に、
- ユーロ建て日経平均株価=日経平均株価÷ユーロ直物レート(1ユーロあたりの円貨建て)
ユーロ換算における為替の値は、16時時点(ロンドン時間)の仲値が用いられています。
というわけですが、ドル直物レートは「ドル直物為替レート」とも言います(解説はリンク先のページを参照してください)。
仲値っていうのは、金融機関が顧客との取引において「今日はこのレートで売買しますよ」という為替レートです。
それを使って「ドル建て日経平均」は算出されています。
これは、何も「ドル建て日経平均」だけでなくて、他のインデックスでもこの為替の値が用いられて計算されていますので、覚えなくていいと思いますが知っておいてもいいと思います。インデックスって「指数」のことです。〇〇指数といったインデックスで、為替ヘッジ系のインデックスなどは同様の為替の値を使ってることがほとんどですので、気になった時は思い出してもらえたらと思います。
裁定売残の解説を追加
こちらも「株式マーケットデータ」の解説を追加したというお知らせですが、「株式マーケットデータ」では、以下のページで裁定取引の推移と解説を掲載しています。
このページでは、裁定買残・裁定売残・裁定解消売りなどの解説を記載していて、通常は裁定買残が注目されますので、裁定買残の見方の解説を厚めに記載していましたが、今は裁定売残も見ておいた方がいいので、その解説を追加しておきました。上記のリンク先の「裁定取引(裁定買残・裁定売残・プログラム売買)の推移」のページに、
「裁定売残の見方と使い方」
というタイトルの欄に記載しておきましたので見てもらいたいですが、概要をこちらでも書いておくと、今は裁定売残が減少していて日経平均株価が上昇している状況です。
「裁定取引(裁定買残・裁定売残・プログラム売買)の推移」のページの「時系列」の欄を見てもらいたいですが、
今こうなってますよね。
裁定売残は「売ポジション」の合計っていう所を見るんですが、1.3兆円ぐらいです。昨年からの分を見てもらえればどんどん減ってきてるのがわかると思います。
裁定売残というのは「先物買いと現物売り」の残高です。「先物買いと現物売り」が増えれば裁定売残は増えますし、「先物買いと現物売り」が減れば裁定売残は減ります。裁定売残が減ってるということは、裁定売残のポジション解消による現物の買戻しが入ってるということです。それに伴って日経平均株価も上昇基調続がいてます。オプションの建玉を見ても日経平均株価の上昇は見込んでるってポジションになってます。
一方、昨年から裁定売残がしっかり減ってますので、逆に言えば新規の裁定売りのポジションが組みやすいということでもあります。ゆえに、悪材料が出れば日経平均株価はしっかり下がる状況でもあるということです。その際は、裁定売残がしっかり増えてくると思いますが、そうなれば戻り売り、下値模索の展開になりやすいと思いますので注意が必要です。